地域おこし協力隊とは?概要やメリット・デメリットについて解説

地域おこし協力隊

こんにちは、沼津市地域おこし協力隊のいまちゃんです。

私は2023年5月から沼津市の地域おこし協力隊として活動しており、協力隊活動の代名詞として「地域商社 Aquamarine Numazu」を立ち上げることにしました。

地方移住を考えている人にとって、移住後の仕事の選択肢として検討したいのが「地域おこし協力隊」。興味・関心はあるけれど、いまいちどういう制度なのか把握できていない人もいるのではないでしょうか。

そんな方に向けて、現役地域おこし協力隊の私が、地域おこし協力隊の概要や仕事内容、メリット・デメリットを解説する記事を執筆してみました。

本記事の簡単なまとめ

  • 地域おこし協力隊の概要
    →地域活性化や移住促進を目的とした最長3年間の制度
  • 地域おこし協力隊の仕事内容
    →地域活性化に関わる業務を幅広く実施することが可能
  • メリットとデメリット
    →最長3年間は給料をもらえるが、出口戦略の明確化が必要 

地域おこし協力隊の概要

地域おこし協力隊とは、2009年から始まった総務省の制度で、地方の地域活性化や地方移住の促進を目的とした取り組みになります。

「地域おこし協力隊」とは人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。

JOIN 地域おこし協力隊とは

地域おこし協力隊になると、地方自治体の委嘱を受け、1年以上3年以下の期間、地域協力活動に従事することになります。総務省によると、令和3年度(2021年度)時点では約6,000人の隊員が日本全国で活動しており、令和8年度(2026年度)には10,000人まで隊員数を増やす計画となっているようです。

図解すると以下のような制度になります。

出典:筆者作成

<国(総務省)>
○隊員1人あたり480万円を上限として財源を支給

<地方自治体>
○行政ではできない柔軟な地域活性化を図ることができる
○移住によりる人口や税収の増加を見込める

<地域>
○今まで無かった新しいアイデアによる地域おこしが可能
○地域外からの斬新な視点を取り入れられる

<地域おこし協力隊>
○自身の才能・能力を活かした活動を実施できる
○理想とする暮らしや生きがいを再発見できる

国(総務省)がお金を出す形で、地方自治体-地域-地域おこし協力隊の三方よしを狙う取り組み、ということです。3年後は無職が確定しているため、戦略を練って挑戦する必要がある制度だと言えます。

地域おこし協力隊の仕事内容

「地域おこし協力隊ってどんな仕事をするの?」という疑問に明快な答えはありません。「地域活性化に関わることであればなんでもOK」ということになります。

地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」

総務省 地域おこし協力隊の概要

…よく分かりませんね。実際に募集要項を見てみると、本当に日本全国津々浦々、いろいろな募集内容があります。

  • 新規就農に向けた農作業
  • 放置山林での自伐型林業
  • SNSを活用した観光地マーケティングPR
  • 小中学校の学習支援
  • 道の駅の職員
  • 自分でやりたいことを探すフリー型

正直読んでいると「自治体の雑用係みたいな仕事…?」「全く隊員としての自由度無さそう…」といった募集内容がけっこう転がっています。隊員になってからの仕事内容と自分のやりたいことにアンマッチが生じないよう、募集内容はきちんと精査する必要があります。

地域おこし協力隊のメリット・デメリット

ここまで地域おこし協力隊の概要と仕事内容を整理してきました。ここからは、地域おこし協力隊になることのメリットとデメリットについて考えてみます。

出典:筆者作成

1つ目のメリットは、最長3年間は給料をもらいながらやりたいことに挑戦できること。脱サラに興味がある、地方移住に興味があるといった場合でも、移住先の仕事が不安で一歩を踏み出せない人も多いと思います。地域おこし協力隊の給料は決して高くありませんが(だいたい16~23万円/月位くらいが相場)、任期中の生活は賄うことができます。また、活動用の車両や通信費、住宅補助が付いている場合もあるため、募集内容は注意深く確認したいところです。

2つ目のメリットは、地域のことを深く知ることができること。地域の活性化のために働くのが地域おこし協力隊。ということは、必然的に活動地域のことは様々な視点から深く知ることになります。移住・定住してその地域でやっていけるのか、判断材料を数多く実体験で集めることができるのが地域おこし協力隊です。

一方でデメリットもあります。1つ目は3年後の出口戦略を考えるのが必須であること。最長3年間は任期のある地域おこし協力隊ですが、逆に言うと3年後は無職確定です。普通の転職とは異なり仕事を失うことが決まっている仕事なので、任期が終わってからどんな人生を歩みたいのか、出口戦略を考えておくことは非常に重要です。将来のことを何も考えずに地域おこし協力隊になってしまうのは危険かもしれません。

2つ目のデメリットは、協力隊を募集している地域しか移住先の選択肢がないこと。自分が住みたい!と思っている地域があったとしても、そこが地域おこし協力隊を募集しているかはある意味運。さらに、自分がやりたい!と思っていることを自分が住みたい!と思っている地域の任務内容になっている確率はもっと低いです。

まとめ

今回の記事では、地域おこし協力隊の概要や仕事内容、協力隊になるメリットとデメリットについて解説しました。

  • 地域おこし協力隊の概要
    →地域活性化や移住促進を目的とした最長3年間の制度
  • 地域おこし協力隊の仕事内容
    →地域活性化に関わる業務を幅広く実施することが可能
  • メリットとデメリット
    →最長3年間は給料をもらえるが、出口戦略の明確化が必要 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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