地域おこし協力隊の給料は最大23万3千円。補助制度も要確認

地域おこし協力隊

こんにちは、沼津市地域おこし協力隊のいまちゃんです。

私は2023年5月から沼津市の地域おこし協力隊として活動しており、協力隊活動の代名詞として「地域商社 Aquamarine Numazu」を立ち上げることにしました。

地域おこし協力隊に応募することを検討していた頃、「地域おこし協力隊 給料」と検索すると、16万6千円という数字をよく見かけました。

(さすがにこれだけの給料では生活が苦しいのでは…)と不安になっていましたが、この情報は数年前の古い情報が更新されていないもので、実は正しくありません。

今回の記事では、総務省が公表しているエビデンスも参考にしながら、正しい地域おこし協力隊の給料事情についてまとめました。地域おこし協力隊になろうとしている方が、この記事を読んで不安を解消できたら幸いです。

本記事の簡単なまとめ

  • 地域おこし協力隊の給料
    →月収は最大23万3千円が正しい
  • 求人が16万6千円~23万3千円で設定されているのはなぜか
    →昔は最大16万6千円だったため(給与上限を更新せず運用している)
  • 給料以外での補助制度
    →必要経費として家賃補助や車両・燃料代の補助あり

地域おこし協力隊の給料は最大23万3千円が正しい

結論、地域おこし協力隊の給料は最大23万3千円が正しいです。総務省が発表している地域おこし協力隊の制度概要に、このことは明記されています。

「地域おこし協力隊」の推進に向けた財政措置について

1.都道府県又は市町村の取組に対する財政措置

地方自治体が、本要項に基づき地域おこし協力隊に取り組む場合、以下のとおり、特別交付税措置を講じることとしている。

(3)地域おこし協力隊員の活動に要する経費

地域おこし協力隊員の活動に要する経費については地域おこし協力隊員1人あたり480万円を上限(うち報償費等については280万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については200万円を上限)とする。

地域おこし協力隊推進要綱 – 総務省

上記は総務省の地域おこし協力隊推進要綱ですが、「報償費」というのが地域おこし協力隊の給料にあたります。報償費は年間あたり280万円を上限とすると書いてあるので、月あたり換算で23万3千円となるわけです。「報償費等以外の活動に要する経費」は後ほど解説します。

なぜ16万6千円という情報が広がっているのか

23万3千円が正しいことは分かりましたが、なぜネット上では16万6千円という情報が広がっているのでしょうか。その理由には、地域おこし協力隊という制度の移り変わりが潜んでいます。以下の総務省の資料をご覧ください。

地域おこし協力隊の推進に向けた地方財政措置について

1 地方財政措置について

地域おこし協力隊員の活動に要する経費に係る特別交付税措置については、現在、地域おこし協力隊員1人あたり400万円を上限(うち報償費等については200万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については200万円を上限)としているところ、令和2年度は、期末手当等の各種手当の支給に係る経費を含めて地域おこし協力隊員1人あたり440万円を上限(うち報償費等については240万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については200万円を上限)とする。

なお、令和3年度は地域おこし協力隊員1人あたり470万円を上限(うち報償費等については270万円を上限)とし、令和4年度以降は地域おこし協力隊員1人あたり480万円を上限(うち報償費等については280万円を上限)とする予定である。

事務連絡 令和2年2月4日 総務省地域力創造グループ地域自立応援課
  • 令和元年度(2019年度)まで
    報償費は200万円を上限 = 月あたり16万6千円
  • 令和2年度(2020年度)
    報償費は240万円を上限 = 月あたり20万円
  • 令和3年度(2021年度)
    報償費は270万円を上限 = 月あたり22万5千円
  • 令和4年度(2022年度)以降
    報償費は280万円を上限 = 月あたり23万3千円

つまり、2019年度までは16万6千円が上限だったわけです。2020年度以降の情報が更新されていないため、16万6千円という情報も広がってしまっているんですね。

地域おこし協力隊の給料が自治体ごとに違うワケ(16万6千円~23万3千円)

そして、実際に地域おこし協力隊の募集情報をチェックすると、自治体ごとに地域おこし協力隊の給料が違うことに気づきます。具体的には、16万6千円から23万3千円の間で給料の設定金額がバラバラです。

国の制度なのになぜか…。それは、地域おこし協力隊の運用はそれぞれの自治体に一任されているから。国が定めているのはあくまで補助金の上限のみ。実際の制度運用は各自治体で実施しています。

今でも16万6千円で地域おこし協力隊を募集している自治体は、2019年度までのルールをそのまま運用しているということです。個人的には制度改定にならって給料も引き上げた方が、人材確保という点では間違いなく有利に働くと思うのですが…。必ず募集要項で給料の金額はチェックするようにしましょう。

給料以外での補助制度

例えばサラリーマンには、毎月の給料だけでなく、家賃補助や通勤補助といった福利厚生がありますよね。実は地域おこし協力隊にも、このような補助制度があります。先ほど引用した地域おこし協力隊推進要綱の続きを見てみましょう。

(3)地域おこし協力隊員の活動に要する経費

地域おこし協力隊員の活動に要する経費については地域おこし協力隊員1人あたり480万円を上限(うち報償費等については280万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については200万円を上限)とする。

【必要経費の例】

・報償費等(期末手当等の各種手当を含む。)
・住居、活動用車両の借上費
・活動旅費等移動に要する経費
・作業道具・消耗品等に要する経費
・関係者間の調整・住民や関係者との意見交換会・活動報告会等に要する経費
・隊員の研修に要する経費
・定住に向けて必要となる研修・資格取得等に要する経費
・定住に向けて必要となる環境整備に要する経費
・外部アドバイザーの招へいに要する経費

地域おこし協力隊推進要綱 – 総務省

自治体によって内容は異なりますが、住宅補助や活動用の車両貸与、通信費や将来の起業に向けた資格取得支援まで、いろいろな補助制度が設けられています。これらは自治体ごとに本当に様々あるので、募集要項をよく読むようにしましょう。

都内の1LDKでは家賃10万円も珍しくないですが、全額住宅補助の地域おこし協力隊募集であればそれが0円に。そこにプラス23万3千円の給料が3年間入ってくると考えると、そこまで劣悪な給与水準ということは無いのではないでしょうか。

まとめ

今回の記事では、地域おこし協力隊の給料についてまとめてきました。決して高収入の制度ではありませんが、生活が立ち行かなくなるようなことはないと思います。

地域おこし協力隊は任期を終えた後に自立することがゴールのため、3年間の給料はある意味ベーシックインカムのようなつもりで、将来に向けた種まきをしていきたいですね。地域おこし協力隊と並行して、複業をしていくことも大切だと考えています。

  • 地域おこし協力隊の給料
    →月収は最大23万3千円が正しい
  • 求人が16万6千円~23万3千円で設定されているのはなぜか
    →昔は最大16万6千円だったため(給与上限を更新せず運用している)
  • 給料以外での補助制度
    →必要経費として家賃補助や車両・燃料代の補助あり

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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