清涼飲料水製造業の営業許可を取得するまで

地域商社

こんにちは!かんきつ商社Aquamarine(株)の今田です。
私は2026年3月までの沼津市地域おこし協力隊の任期中、清涼飲料水製造業の営業許可を取得して、小規模ジュース工場を立ち上げました。

この記事では、私がどのような流れで清涼飲料水製造業の営業許可を取ったのか、実例をご紹介していければと思います。

清涼飲料水製造業って、取得した人の実際の声や、どのような手続きを踏むのか、調べてもほとんど出てこないんですよね…。
清涼飲料水製造業に興味がある人にとって、多少なりとも参考になれば幸いです。

ステップ①:保健所に相談に行く

営業許可の取得ステップ

まず最初に、管轄の保健所にお伺いして、「そもそも営業許可というものはどのようなステップで取得するものなのか?」を確認しました。

申請のステップとしては、おおまかに以下の通りでした。
※保健所の営業許可は、それぞれの管轄ごとに細かい申請のステップ、審査項目等が異なるようです!

1.事前相談
 ・施設工事の着工前に、図面を用意して相談する
 ・事前相談の段階で、本申請が通るように申請内容を作り込む
2.電子申請
 ・本申請は、厚生労働省のシステム上で行う
 ・3.申請書提出の時に、電子申請の整理番号が必要になる
3.申請書提出
 ・電子申請をした後、保健所の窓口でも申請書を提出する
 ・図面、登記事項証明書、食品衛生責任者資格証など
4.施設調査
 ・現地調査を行い、施設基準に適合しているか確認する
 ・調査日が予約制で、希望の日程を確保できるかは分からない
5.許可連絡
 ・現地調査後、1週間くらいで許可を出す電話が来る
 ・電話を受けた時点から営業可能
6.許可証交付
 ・月1回だけ講習会が開催されており、紙の許可証はそこで受け取る
 ・4.施設調査のタイミングで、講習会の日程は教えてもらえる

とにかく大事なのは、事前相談ということでした。
許可を出せる申請内容が作れるまで、何度もすり合わせが必要になります、と言われました。

清涼飲料水製造業の審査事項

続いて、清涼飲料水製造業を取得するためにクリアしなければならない事項について聞いてみました。

回答としては、どんな営業許可でも共通で必要な設備と、清涼飲料水製造業個別で必要な書類があるとのこと。

1.どんな営業許可でも必要な設備
 ・手洗い、消毒設備
 ・洗浄設備(流し)
 ・原材料保管設備(戸棚)
 ・温度計付き冷蔵庫
 ・換気設備(換気扇)
 ・ゴミ箱(ふた付き)
 ・清掃道具
 ・窓(網戸付き)
 ・トイレ
 ・トイレ用の手洗い、消毒設備
 ・更衣場所
 ・水道メーター
 その他、施設内の壁・天井に凸凹がないか等

2.清涼飲料水製造業で必要な書類
 ・製造工程表と重点管理項目
 ・HACCPの考え方を取り入れた衛生管理

1.どんな営業許可でも必要な設備は、食品製造業をやる上で必要不可欠なものばかりなので、特に問題はありません。
それよりも、2.清涼飲料水製造業で必要な書類をキチンと作り込めるか。
営業を始めてからも、食品衛生的に問題なく事業を運営できることが重要になると分かりました。

ステップ②:申請図面・書類を作成する

保健所でいただいた書類(清涼飲料水製造業の手引書、HACCP記載例など)を参考にしながら、申請図面と書類を作成しました。
製造手引書やHACCP例は、インターネット上でも調べると出てきます。

保健所の方から、フォーマットや記載すべき内容が事細かに出てきたわけではなかったので、完全に手探りでの書類作成です。
施設図面はパワーポイント、その他書類はエクセルで全て作りました。
図面の作成ソフトとかがなくても、意外と自力でなんとかなります。

ステップ③:くり返し保健所の事前相談に行く

作成した申請書類一式を持って、再度保健所にお伺いに行きます。
その場で書類を確認してくれるんですが…、初耳の指摘事項をめちゃくちゃ言われます。
「ジュースは何に詰める?」「充填物の容量は?」「殺菌条件の記載が無いのはなぜ?」「天井まで水をかけて洗えるか?」などなど…。

こちらとしては、(何をどこまで書けばいいのか全然教えてくれなかったじゃん…)とテンション爆下げですが、営業許可を出すのが保健所である以上、言い争いをしても仕方がありません。

指摘事項を修正して、三度お伺いに行きます。
すると、前回言われなかった指摘事項がまた湧いて出てきます。
(一回で全部教えてよ…!)と言葉が出かかったりもしましたが…。
多分4,5回でしょうか?資料を作っては修正してを繰り返して、なんとか「これなら本申請に出しても大丈夫でしょう!」という書類を作ることができました。

ステップ④:設備工事を実施する

保健所から施設図面のお墨付きをいただいた段階で、ようやく設備工事の発注をすることができます。

私自身、保健所とのやり取りの中で、何度も図面の内容を変更しました。
保健所とのやり取りが終わるまで、絶対に設備工事は始めない方がいいんじゃないかと思います。

ステップ⑤:本申請を提出する

工事が終わったタイミングで、私は本申請に取り掛かりました。

「実際に使用する殺菌設備を使って、殺菌条件をクリアできているか温度測定をしてください」等の指摘事項があり、工事が終わらないと全ての申請書類を揃えることができなかったため、本申請も工事終了後になりました。

事前相談を繰り返して書類関係はしっかりとできていたので、本申請と現地調査は特に問題なくクリアできました。

ステップ⑥:現地調査から約1週間で営業許可が出る

保健所の方に現地調査をしていただいてから、ちょうど1週間くらいで営業許可が出た旨の電話が来ました。

電話を受けたときは、本当にホッとしましたね…。

おまけ:営業許可を取得するまでに困ったこと

1.保健所が担当者を決めてくれない

最初の2,3回、保健所が担当者を決めてくれなくて、相談に行くたびに初めましての人と話していました。
みなさんが同じことを指摘してくださるのならいいのですが、人によって言うことが全然違って…。

このままだとこちらが振り回されてしまうと思い、あるタイミングで私から、「次回も○○さんに相談したいのですが、いつならいらっしゃいますか?」とアポを取る形でお願いしました。

保健所側が担当を決めたがらない理由は未だによく分かっていませんが、お願いすれば時間を取ってくださったので、相性のいい方が見つかったら捕まえちゃうのがいいのかな、と思いました。

2.スケジュール管理が難しい

保健所の営業許可取得も、設備工事も、なかなか想定通りには進んでくれません。
加えて銀行融資や補助金といったお金関係も絡んでくるので、けっこうスケジュール管理が大変でした。

自分なりにタスクを順序立てて整理して、関係者の方々には「今ここまで計画が進んでいます」といった進捗報告を時々していました。

最後に:清涼飲料水製造業の営業許可は、難しいけど取得できないことはない

正直、清涼飲料水製造業の営業許可は取得するのが難しいです。
最初に保健所で相談したときも、ハッキリと「清涼飲料水は審査がかなり厳しくて取得が困難です」と言われました。

でも、決して取ることが不可能な営業許可ではありませんでした。
保健所としてのリスク・懸念点を丁寧にヒアリングして、それに対する解決策を1つずつ提示すれば、なんとかなるはずです。

私自身、「清涼飲料水製造業って大きい工場でしかやってないよ?」と言われたところから、「いやいや、小規模でもできるんです」というプレゼンをひたすら繰り返しました。

もし本気で清涼飲料水製造業の営業許可を取得したい、と考えている方がいらっしゃったら、ぜひお気軽にご連絡ください。
ノウハウの全てを無料公開するのはさすがに難しいですが、許可を取った経験者として、できる限りお力になれたらと思っています。
伴走支援をご希望の場合は、コンサルティング的なサポートも検討可能です。

日本のあちこちに、小規模かつ魅力的なジュース・シロップ工場ができたらいいな…!なんて思っています。

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